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ほうれい線をボトックスで改善?その効果と注意点

ほうれい線は、年齢と共に深くなりやすく、老けて見える原因の一つとして多くの女性を悩ませています。そんなほうれい線に、ボトックスが効果的だという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ボトックスとほうれい線について、その効果や注意点などを詳しく解説していきます。

ボトックスとは

ボトックスは、ボツリヌス菌から作られた薬剤です。これを筋肉に注入することで、筋肉の収縮を抑制し、シワの原因となる表情筋の動きを和らげることでしわを改善します。筋肉をリラックスさせて皮膚の表面のシワを滑らかにすると考えるとわかりやすいでしょう。

ほうれい線の原因

ほうれい線の原因は複数あります。主な要因には以下のものが挙げられます。

  1. 加齢による肌のたるみ
  2. 表情筋の動き
  3. 皮膚の乾燥
  4. 骨の変化

加齢による肌のたるみ

年齢を重ねると、肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンの生成が減少し、肌がたるみやすくなります。このたるみは、ほうれい線が深くなる主な原因の一つです。特に、顔の下半分に多くの筋肉が集中しているため、その影響を受けやすいのです。なおこれが要因で起きるほうれい線に対しては、ボトックスの効果は期待できません。

表情筋の動き

笑ったり話したりする際に使われる表情筋の動きが、長年の繰り返しによってほうれい線を形成します。これは、筋肉が動くことで皮膚が折り畳まれ、その折り畳みが定着してしまうためです。特に、頻繁に同じ表情をすることで、その部分の皮膚が常に折り畳まれ、ほうれい線が深くなる傾向があります。表情筋が要因で起きるほうれい線に対しては、ボトックスの効果が発揮されやすいです。

皮膚の乾燥

乾燥した肌は弾力を失い、シワができやすくなります。保湿不足もほうれい線の原因となります。肌が乾燥すると、皮膚の表面が硬くなり、表情筋の動きによる折り畳みが定着しやすくなります。その結果、ほうれい線が深く、目立つようになります。なおこれが要因で起きるほうれい線に対しては、ボトックスの効果は期待できません。

骨の変化

顔の骨の構造が年齢とともに変化し、脂肪や筋肉の配置にも影響を与えます。これもほうれい線が目立つ原因の一つです。年齢とともに頬骨や顎骨が萎縮し、それに伴って皮膚も下に落ちるため、ほうれい線が形成されます。また、脂肪の分布も変化し、それがほうれい線の形成に影響を与えます。なおこれが要因で起きるほうれい線に対しては、ボトックスの効果は期待できません。

ボトックスがほうれい線に効果的な理由

ほうれい線は、鼻の両側から口角にかけての深いしわで、年齢とともに目立つようになります。これは、皮膚のコラーゲンとエラスチンの減少、および重力の影響によるものです。笑ったり話したりする際に口角を動かすことでシワが深くなります。

ボトックスは、主に表情筋の動きによってできるシワに効果を発揮する注射のため、筋肉の動きを抑制することで、ほうれい線の改善が期待できます。

しかし、ボトックスだけでは十分でない場合もあります。ほうれい線は、皮膚の深層部に位置するため、ボトックスの効果を最大限に引き出すためには、ヒアルロン酸などのデルマフィラーと組み合わせることが推奨されます。

ほうれい線へのボトックスで期待できる効果

ほうれい線へのボトックスで期待できる効果としては、以下のようなものがあります。

1.ほうれい線の緩和

ボトックスは、口角を上げる筋肉の動きを抑制することで、ほうれい線が浅くなり、見た目の印象が若返ります。これは、ボトックスが筋肉の動きを一時的に弱めることで、皮膚の表面のしわを滑らかにする効果が期待できるからです。この結果、顔全体の印象がより若々しく、フレッシュな印象になります。

2.予防効果

ボトックスは、ほうれい線が深くなるのを予防する効果もあります。これは、ボトックスが筋肉の過度な動きを抑制することで、新たなシワの形成を防ぐからです。シワが深くなったり、新しいシワができないか不安な人は、ボトックスを打つことで、既存のほうれい線が改善するだけでなく、新たなほうれい線の形成も防げるでしょう。

3.短期間で効果を実感

ボトックスの効果は、施術後数日で現れ始めます。この効果は約3~6ヶ月持続するものの、筋肉の動きが徐々に戻るため、定期的なメンテナンスが必要です。約半年に1回の施術で自分の理想の顔を維持できるのであれば、自信になりやすいでしょう。

ボトックスがほうれい線に効果がないケース

ボトックスは、すべてのタイプのほうれい線に効果があるわけではありません。以下のようなケースのほうれい線には、ボトックスの効果がない可能性が高いです。

皮膚のたるみによるほうれい線

ボトックスは、筋肉の動きを抑制するもので、皮膚のたるみには直接的な効果はありません。皮膚のたるみは、年齢とともに皮膚の弾力性が失われ、重力によって下に引っ張られる結果、ほうれい線が形成されます。このタイプのほうれい線に対しては、皮膚を引き締める治療法や、コラーゲン生成を促進する治療法がより効果的です。

骨格的な原因によるほうれい線

骨の形状や脂肪の付き方によってできるほうれい線には、ボトックスだけでは効果が期待できません。これらのほうれい線は、骨格の構造や脂肪の分布によるもので、これらの要素はボトックスでは改善できません。このタイプのほうれい線に対しては、脂肪移植やフィラー注入などの治療法がより効果的です。

ボトックスの注意点

  • 効果の持続期間: ボトックスの効果は、個人差や注入量によって異なりますが、一般的に3~6ヶ月程度です。
  • 副作用: 注入部位の腫れや赤み、内出血などが起こることがあります。まれに、眉が下がる、口角が下がることが起こる場合もあります。
  • 医師選びの重要性: ボトックスは医療行為です。経験豊富な医師を選び、カウンセリングをしっかり受けることが大切です。
  • 他の治療との併用: ほうれい線の状態によっては、ヒアルロン酸注入や糸リフトなどの他の治療法との併用が効果的な場合があります。

まとめ

ボトックスは、表情筋の動きによってできるほうれい線に対して、効果的な治療法の一つです。しかし、すべてのほうれい線に効果があるわけではなく、個人の状態や原因によって適切な治療法は異なります。施術を受ける際は、必ず医師に相談し、自分の状態に合った治療法を選びましょう。