顔や体にできたシミ。鏡を見るたびに気になって、気分が沈んでしまうことはありませんか?
シミ取り治療をしたいけど、費用がいくらかかるのか心配でなかなか踏み切れない、という人もいるかもしれません。
じつは、シミ取り治療には保険が適用されるケースもあることをご存知ですか?
この記事では、保険適用になるシミの種類や治療法、費用、皮膚科と美容皮膚科の違いなどを詳しく解説します。
自分に合ったシミ取り治療を見つけるための参考にしてください。
保険適用となる可能性が高いシミの種類
シミの種類 | 特徴 |
太田母斑 | 生まれつき、または幼少期から現れる青みがかった灰色のアザのようなシミ。 顔の片側に多く発生する。 |
扁平母斑 | 生まれつきある、茶色や黒色の平らなシミ(カフェオレ斑)。 |
異所性蒙古斑 | 通常、乳幼児期に消える蒙古斑が、臀部やお尻以外の場所に残っているもの。 |
外傷性色素沈着 | ケガや炎症などが治った後に残る、茶色っぽいシミ。 |
注意点
以下にそれぞれ詳しく解説していきます。
特徴|生まれつき、または幼少期から現れる、青みがかった灰色のアザのようなシミ。顔の片側に多く発生するのが特徴。まれに両側に出ることもあります。眼球結膜、口腔粘膜、鼻腔粘膜などにも発生することがあります。
治療法|レーザー治療(Qスイッチアレキサンドライトレーザー、ルビーレーザーなど)が一般的。
保険適用|見た目への影響が大きく、精神的苦痛を伴う場合、保険適用で治療が可能です。
特徴|生まれつきある、茶色や黒色の平らなシミ。カフェオレ斑とも呼ばれます。6個以上のカフェオレ斑が直径1.5cm以上の場合、神経線維腫症の疑いがあります。
治療法|レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザーなど)。ただし、完全な除去が難しい場合もあります。
保険適用|神経線維腫症が疑われる場合や、大きさ、数、部位などから日常生活に支障をきたすと判断された場合に保険適用となる可能性があります。単発で小さなものは基本的に自費診療となります。
特徴|通常、乳幼児期に消える蒙古斑が、臀部やお尻以外の場所、とくに腰や背中、四肢などに残っているもの。
治療法|レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザーなど)。
保険適用|広範囲に存在する場合や、目立つ部位にあり精神的苦痛を伴う場合に限り、保険適用となる可能性があります。
特徴|ケガや炎症(やけど、虫刺され、ニキビなど)などが治った後に残る、茶色っぽいシミ。
治療法|外用薬(トレチノイン、ハイドロキノンなど)、レーザー治療、ケミカルピーリングなど。
保険適用|外傷や炎症そのものの治療は保険適用ですが、色素沈着の治療に関しては、基本的に保険適用外です。ただし、ケロイドや肥厚性瘢痕に合併した色素沈着は保険適用となる場合があります。
上記以外にも、シミが急に大きくなった、形がいびつになった、色が濃くなった、出血するなどの変化が見られる場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)の疑いがあります。
このような場合は、速やかに皮膚科を受診し、ダーモスコピー検査や病理組織検査などを行い、診断をつける必要があります。
悪性黒色腫の治療は保険適用です。
・保険適用の可否は、最終的には医師の診断に基づいて決定されます。
・同じ種類のシミでも、大きさ、部位、症状などによって保険適用となる場合とそうでない場合があります。
・保険適用を希望する場合は、事前に医療機関に確認することをお勧めします。
上記の情報は一般的なものであり、個々のケースによって状況が異なる可能性があります。必ず専門医の診断を受けてください。
皮膚科で保険適用となるシミ取り治療は、主に医学的な必要性が認められた場合に限られます。
以下に、それぞれ詳しく解説します。
方法| 綿棒やスプレーを用いて液体窒素をシミに塗布し、凍結させて破壊する方法。比較的簡単な処方で、短時間で済みます。
対象となるシミ| 老人性疣贅(ゆうぜい)、脂漏性角化症など。一部の良性腫瘍にも用いられます。メラノサイト系のシミ(太田母斑、扁平母斑など)には効果が薄いため、適用されません。
費用 (3割負担の場合) |初診料を含めて1,000円~3,000円程度。
メリット |費用が安価、短時間で施術可能。
デメリット |施術後に水疱ができたり、炎症後色素沈着を起こす可能性がある。周囲の正常な皮膚にも影響を与える可能性があるため、繊細な部位への適用は難しい。
方法 |特定の波長のレーザーを照射し、シミの原因となるメラニン色素を破壊する方法。
対象となるシミ |太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着(ケロイドや肥厚性瘢痕に合併したもの)など。扁平母斑にも使用される場合がありますが、保険適用外となるケースも多いです。
使用されるレーザーの種類 |Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー、QスイッチYAGレーザーなど。シミの種類や状態によって適切なレーザーが選択されます。
費用 (3割負担の場合) |シミの種類、大きさ、使用するレーザーの種類によって異なりますが、5,000円~数万円程度。
メリット |ピンポイントでシミを治療できるため、周囲の皮膚へのダメージが少ない。
デメリット |レーザーの種類によっては、施術後に赤みや腫れ、かさぶたが生じる場合がある。複数回の治療が必要な場合もある。
方法 |シミの部分を切除し、縫合する方法。
対象となるシミ |大きなシミ、悪性黒色腫の疑いがあるシミ、レーザー治療で効果が得られないシミなど。
費用 (3割負担の場合) |シミの大きさや部位、手術の方法によって異なりますが、数千円~数万円程度。病理検査が必要な場合は追加費用がかかります。
メリット |シミを確実に除去できる。
デメリット |手術跡が残る可能性がある。ダウンタイムが必要。
・上記の費用はあくまで目安であり、医療機関によって異なります
・初診料、再診料、検査費用などが別途かかる場合があります。
・病理検査が必要な場合は、追加費用がかかります。
・保険適用となるかどうかは、医師の診断に基づいて決定されます。
・同じ種類のシミでも、大きさ、部位、症状などによって保険適用となる場合とそうでない場合があります。
・保険適用を希望する場合は、事前に医療機関に確認しましょう。
・費用についても事前に確認しておきましょう。
・他の治療法(自費診療)についても説明を受け、比較検討しましょう。
最終的な診断と治療方針は、必ず専門医の診察を受けて決定してください。
これらの情報は一般的なものであり、個々のケースによって状況が異なる可能性があります。
保険適用にならない可能性が高いシミの種類
シミの種類 | 特徴 |
老人性色素斑 | 加齢に伴い増える茶褐色のシミ。日光に当たる部分にできやすい。 |
そばかす | 遺伝的要因が大きく、幼少期から現れることが多い小さな淡褐色のシミ。 |
肝斑 | 左右対称に頬骨あたりに現れるシミ。ホルモンバランスの乱れや紫外線などが原因。 |
ADM (後天性真皮メラノサイト症) | 青みがかった灰色のようなシミ。原因は不明な点が多く、治療が難しい。 |
炎症後色素沈着 | ニキビ跡や虫刺され跡など、炎症が治まった後に残る色素沈着。ケロイド、肥厚性瘢痕に伴うものを除く。 |
脂漏性角化症(一部) | 加齢に伴い増えるイボ状の盛り上がりを伴うシミ。炎症やかゆみがない場合は保険適用外。 |
注意点
これらのシミには、レーザー治療や光治療、ケミカルピーリングなどの治療法が用いられますが、美容目的となるため保険は適用されません。
レーザー治療|さまざまな種類のレーザーを使い分け、シミの原因となるメラニン色素を破壊します。1回あたり1万円~数万円程度。
光治療 (IPL)|カメラのフラッシュのような光を照射し、シミやそばかす、くすみなどを改善します。1回あたり1万円~数万円程度。
ケミカルピーリング|薬剤を使用して皮膚の角質層を剥がし、シミやくすみを改善します。1回あたり数千円~数万円程度。
費用は、使用する機器や薬剤、施術範囲などによって異なります。
シミ取り治療を受ける際、「皮膚科」と「美容皮膚科」、どちらを選べば良いか迷う人もいるでしょう。それぞれの違いを理解し、自分に合った医療機関を選びましょう。
皮膚科|保険診療でシミの治療を行います。主な目的は、皮膚疾患の治療です。
そのため、保険適用となるシミの治療や、悪性の疑いがあるシミの診断を得意としています。
美容皮膚科(美容外科)|自由診療でシミの治療を行います。高性能の美容医療機器や技術を用いた、より効果の高い治療を提供することに特化しています。費用は高額になる傾向がありますが、幅広い治療法から選択できます。
保険適用で治療したい、悪性の疑いがあるか診断してほしい場合は皮膚科、美容目的で高性能機器を使用した治療を受けたい場合は美容皮膚科(美容外科)を選ぶと良いでしょう。
前述の通り、保険適用となるシミは限られています。そのため、多くのシミ治療は美容皮膚科(美容外科)で行われています。
皮膚のシミは、種類によって保険適用の可否や治療法が異なります。
太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着といった種類は、医学的必要性に基づき保険適用となる可能性があります。
これらのシミにはレーザー治療が用いられますが、大きさや部位によっては保険適用外となる場合もあります。一方、老人性色素斑、そばかす、肝斑、ADMなどは基本的に保険適用外で、レーザー治療や光治療、ケミカルピーリングなどの自由診療となります。
保険適用での治療は主に皮膚科、美容目的の治療は美容皮膚科(美容外科)で行われます。費用やリスク、ダウンタイムなどを考慮し、医師とよく相談したうえで最適な治療法を選択しましょう。