エラボトックスの効果がない？1週間かかる？詳しく解説

5月 25, 2024 ニュース

エラが張って顔が大きく見えるのが悩みで、手軽な小顔治療として人気のエラボトックスを試してみたものの、効果がなかった、という経験はありませんか？じつは、エラボトックスはすべての人に効果があるとは限りません。この記事では、エラボトックスの効果が出ない理由や、効果が出るまでの期間について解説します。

ボトックスを受けて『効果がない』と感じる方の多くは、筋肉（咬筋）以外の要因、あるいは事前の診断不足が原因であることがほとんどです。ボトックスは正しく打てば必ず筋肉を弛緩させますが、結果としての『小顔効果』は脂肪や骨格のバランスに依存します。まずは何が原因でエラが張っているのかを正しく見極めることが完治への近道です。

エラボトックスの効果が出にくい人の特徴を以下の表でまとめました。
エラボトックスの効果が出にくい人の特徴

特徴	詳細	対策
骨格が原因でエラが張っている	ボトックスは筋肉の働きを抑制する薬剤のため、骨格自体に変化をもたらすことはできません。エラが骨格そのものによる場合、ボトックス注射では効果が期待できません。	エラボトックス以外の施術（外科手術など）を検討する必要があります。美容クリニックで医師に相談し、エラの原因を特定してもらうことが重要です。
咬筋があまり発達していない	咬筋が小さければ、ボトックスの効果が目立ちにくくなります。	他の施術と組み合わせる、またはボトックス以外の施術を検討する。
脂肪が多くついている	エラの原因が脂肪であれば、ボトックスは効果がありません。	脂肪溶解注射などの施術が適しています。
ボトックスの注入量が不足している	注入量が少なすぎると、咬筋を十分にリラックスさせることができず、効果が弱くなります。	医師と相談し、適切な注入量を設定する。
ボトックスの濃度が薄い	適切な希釈率（ユニット数）の不足。ボトックスは医師の判断で希釈率を調整しますが、筋肉量に対してユニット数が不足していると効果を実感しにくくなります。	使用しているボトックスの濃度を確認し、必要であれば濃い濃度のものを使用する。
注入位置が不適切	咬筋に正確にボトックスを注入することが重要です。注入位置がずれていると、効果が薄れるだけでなく、副作用のリスクも高まります。	経験豊富な医師による施術を受ける。
免疫ができてしまっている	ボトックス注射を繰り返し行うことで、体内に抗体ができてしまい、効果が薄れるケースがあります。	他の施術を検討する。
効果発現までの期間	エラボトックスの効果が現れるまでには、個人差はありますが、2週間から1ヶ月程度の期間が必要です。	しばらく様子を見て、効果がなければ医師に相談する。

自分がボトックスの適応（筋肉が原因）かどうかは、鏡の前で簡単にセルフチェックできます。奥歯をグッと強く噛み締めた時に、耳の下あたりを指で触ってみてください。ここで『ボコッ』と硬い筋肉の膨らみが出る方は効果を実感しやすいですが、膨らみがほとんどない場合は、骨格や脂肪が主因である可能性が高いと言えます。

監修：田内里美（「さとみ皮フ科クリニック」院長）紹介

田内里美院長

名古屋市千種区川崎町にて、皮フ科・皮フ外科・美容皮フ科の診療を中心とする「さとみ皮フ科クリニック」の院長。近隣の医療機関とも連携をとりながら、地域の人々に親しまれ、信頼されるクリニックを目指している。

院長経歴	聖マリアンナ医科大学卒業三重大学皮膚科科学教室入局三重大学医学部附属病院皮膚科勤務市立四日市病院皮膚科勤務名古屋市内の総合病院皮膚科勤務さとみ皮フ科開院
所属学会・資格	日本皮膚科学会（日本皮膚科学会認定皮膚科専門医）日本皮膚外科学会日本皮膚科学会認定皮膚科専門医日本美容皮膚科学会
クリニックHP	さとみ皮フ科クリニック
SNS

エラボトックスで効果が出にくい人

エラボトックスの効果が感じられない理由は、いくつか考えられます。まず、エラが張っている原因を正しく理解することが重要です。

骨格が原因でエラが張っている人

エラボトックスは、咬筋と呼ばれるエラの筋肉の働きを弱めることで小顔効果をもたらします。しかし、エラが骨格そのものによる場合は、筋肉への注射では効果は期待できません。生まれつきエラが張っている、顎の骨が大きいなど、骨格が原因の場合は、外科手術が必要となることもあります。美容クリニックで医師に相談し、エラの原因を特定してもらうことが重要です。

咬筋があまり発達していない人

咬筋が発達していない、つまり筋肉自体が小さい場合、エラボトックスの効果は限定的になります。ボトックスは筋肉の働きを抑制することで効果を発揮するため、筋肉の量が少ない場合は、十分な変化を感じられない可能性があります。

脂肪が多くついている人

エラの部分が脂肪で膨らんでいる場合、エラボトックスの効果はあまり期待できません。ボトックスは筋肉に作用する薬剤であるため、脂肪には効果がありません。この場合は、脂肪溶解注射などの施術が適しています。

ボトックスの注入量が不足している人

エラボトックスの効果は、ボトックスの注入量にも影響されます。注入量が少なすぎると、咬筋を十分にリラックスさせることができず、効果が弱くなってしまう可能性があります。医師とのカウンセリングで、適切な注入量を相談することが重要です。

ボトックスの濃度が薄い

ボトックス製剤は、生理食塩水で希釈して使用します。クリニックによっては、ボトックスを通常よりも薄めて使用している場合があります。その場合、通常の量を注入しても効果が薄い可能性があります。

ボトックスの注入位置が不適切

咬筋に正確にボトックスを注入することが重要です。注入位置がずれていると、効果が薄れるだけでなく、副作用のリスクも高まります。経験豊富な医師による施術を受けることが大切です。

免疫ができてしまっている

ボトックスに対して抗体ができるリスクは極めて稀ですが、短期間に大量の注入を繰り返したり、安価な製剤（不純物が多いもの）を使い続けたりすると、中和抗体ができて効果が薄れることがあります。当院では安全性を第一に考え、厚生労働省に承認されている高純度な製剤を推奨しています。

ボトックス注射を繰り返し行うことで、体内に抗体ができてしまい、効果が薄れるケースもまれにあります。

効果発現までの期間

エラボトックスの効果が現れるまでには、個人差はありますが、2週間から1ヶ月程度の期間が必要です。

エラボトックスが一週間経っても効果がない？

エラボトックスの効果発現には個人差があり、一般的には1週間から1ヶ月程度かかるといわれています。そのため、1週間経っても効果がまったくない場合もあれば、徐々に効果が現れ始める場合もあるのです。焦らず経過を観察することが重要です。 エラボトックス効果発現メカニズム

段階	プロセス	結果
1. ボトックスの作用	ボツリヌス毒素がアセチルコリンの放出を阻害	神経伝達物質の放出が抑制される
2. 筋肉の弛緩	咬筋への神経刺激が遮断される	咬筋の過剰な収縮が抑制され、リラックスする
3. 咬筋の萎縮	咬筋の活動が抑制される	筋肉が徐々に萎縮し始める
4. 小顔効果の発現	咬筋の体積が減少する	エラが小さくなり、フェイスラインがすっきりする

また、これらのプロセスには時間を要し、効果発現までには通常1週間～1ヶ月程度かかります。そのため、1週間で効果を実感できない場合もあることを理解しておきましょう。

エラボトックス効果がない人｜まとめ

エラボトックスは咬筋の働きを抑制することで小顔効果を得る施術ですが、効果の出方には個人差があり、1週間で効果がない場合も珍しくありません。効果がない理由としては、エラの原因が骨格や脂肪である、咬筋の発達が弱い、注入量が少ない、注入位置が不適切、ボトックスへの耐性獲得、効果発現まで時間が必要などがあります。効果を最大限に得るためには、施術前に医師にエラの原因を診断してもらい、適切な注入量や施術方法を相談することが重要です。効果発現には通常2週間〜1ヶ月程度かかるため、焦らず経過観察し、必要に応じて医師に相談しましょう。複数の医師の意見を聞くのも有効です。