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シミ取りレーザー後かさぶたにならなくても大丈夫?理由も詳しく解説

シミ取りレーザーを受けた後、かさぶたができなかった…これって効果がないってこと?
と不安に思う人もいるかもしれません。

じつは、最近のレーザー治療はかさぶたができなくてもシミを改善できるものが増えてきています。

この記事では、シミ取りレーザー後かさぶたにならなくても大丈夫な理由や、かさぶたができる場合のメカニズム、レーザーの種類などについて詳しく解説します。

 

シミ取りレーザー後かさぶたにならなくても大丈夫?

結論からいうと、シミ取りレーザー後かさぶたにならなくてもシミへの効果がある可能性は十分にあります。
むしろ、かさぶたができない人はダウンタイムが短く、日常生活への支障が少ないというメリットがあります。

 

従来のレーザー治療(たとえば、QスイッチYAGレーザーなど)は、高いエネルギーを短いパルスで照射することでメラニン色素を破壊していました。

この高いエネルギーは周囲の皮膚組織にも熱損傷を与え、炎症反応としてかさぶた形成を促していました。

 

いわば、シミだけでなく周囲の皮膚も巻き込んで治療していたため、ダウンタイムが長引く原因となっていたのです。

 

かさぶたにならなくても大丈夫な理由

レーザー治療の目的は、メラニン色素を破壊することです。
かさぶたができるかどうかは、あくまで皮膚の反応であり、メラニン色素が破壊されたかどうかとは直接関係ありません。
かさぶたができなくても、レーザーによってメラニン色素が破壊されていればシミは薄くなり、破壊されたメラニンは皮膚のターンオーバーによって徐々に排出されます。

 

かさぶたにならない理由

・レーザーの種類

Qスイッチレーザーなど非常に短いパルス幅で照射するレーザーは、メラニン色素を選択的に破壊し周囲の組織へのダメージを最小限に抑えられるため、かさぶたができにくい傾向があります。一方、炭酸ガスレーザーなどはより広範囲に熱作用が及ぶため、かさぶたができやすいです。

 

・照射強度

同じ種類のレーザーでも、照射強度が低い場合はメラニン色素の破壊が軽度にとどまるためかさぶたができないこともあるでしょう。低い出力で複数回照射することで、ダウンタイムを軽減しながらシミを薄くしていく治療法もあります。

 

・肌質

肌のターンオーバーが活発な人や、もともと皮膚の再生能力が高い人は、かさぶたができにくく治癒が早い傾向があります。

 

シミ取りレーザー治療の進化

近年のレーザー治療は技術革新が進み、より選択的にメラニン色素のみに作用するようになっています。
具体的には以下の点が挙げられます。

 

波長の進化

シミの原因となるメラニン色素に吸収されやすい特定の波長(たとえば、ピコレーザーの532nmや1064nm)のレーザーが開発され、ピンポイントでメラニンをターゲティングできるようになりました。

 

パルス幅の短縮(ピコ秒、ナノ秒)

パルス幅が短いほど、メラニンへのエネルギー伝達が効率的になり、周囲の組織への熱拡散が最小限に抑えられます。

ピコレーザーはその名のとおり、ピコ秒(1兆分の1秒)単位の超短パルスで照射するため、熱ではなく光音響効果でメラニンを粉砕し、より少ない熱ダメージでシミを除去できます。

 

 照射方法の改良 

フラクショナルレーザーのように、レーザーを微小な点状に照射する方法も開発されました。
これにより、肌全体のダメージを軽減しつつ、コラーゲン生成を促進し、シミだけでなく肌質改善効果も期待できます。

また、低出力で複数回照射するレーザートーニングも、かさぶたを作らずにメラニンを徐々に排出していく治療法です。

 

これらの技術革新により、メラニン色素を破壊するのに必要なエネルギーが少なくなり、周囲の皮膚へのダメージも最小限に抑えられるようになりました。

結果として、かさぶたができなくてもシミを薄くしていくことが可能になったのです。

 

さらに、レーザー治療以外の光治療(IPLIntense Pulsed Light)も、シミやくすみを改善する治療法として広く用いられています。
IPLはレーザーよりも広範囲の波長を含んだ光を照射するため、メラニンだけでなく、赤ら顔や毛細血管拡張など、さまざまな肌トラブルに効果を発揮します。

IPLもレーザーに比べてマイルドな治療法であるため、かさぶたができることはまれです。

 

このように、かさぶたができるかどうかは、レーザーの種類や出力、個人の肌質などによって異なりますが、かさぶたができなくてもシミへの効果が期待できる治療法は数多く存在します。
大切なのは、自分のシミの状態やライフスタイルに合った最適な治療法を選択することです。
そのためにも、経験豊富な医師とのカウンセリングが重要になります。

 

かさぶたにならないレーザー治療の種類

以下に表でまとめました。

治療名 種類 特徴 効果
クリアリフト レーザー 皮膚深層にレーザーを照射し、コラーゲン生成を促進。 シミ、くすみ、毛穴の開き、小じわ、ハリ感アップなど
ライムライト IPL( Intense Pulsed Light) メラニン色素に反応する光を照射。 シミ、そばかす、くすみ、赤ら顔など
フォトフェイシャルM22 IPL( Intense Pulsed Light) 複数の波長を使い分け、さまざまな肌トラブルに対応。 シミ、そばかす、くすみ、赤ら顔、ニキビ跡、毛穴の開きなど

 

シミ取りレーザー後かさぶたにならないのはなぜ?

 


かさぶたにならないレーザー治療の代表的な例として、ピコレーザー、クリアリフト、ライムライト、フォトフェイシャルM22などが挙げられます。

これらの治療は、以下のメカニズムによりかさぶた形成を最小限に抑えながらシミを改善します。

 

熱作用の軽減と光音響効果の利用(ピコレーザー)

従来のナノ秒レーザーは、熱エネルギーによってメラニンを破壊していました。
この熱は周囲の組織にも伝わり、炎症や水疱、そしてかさぶた形成につながっています。

一方、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短いパルス幅で照射するため、メラニン色素に選択的に吸収されるエネルギーを熱ではなく光音響効果に変換します。

 

これは、レーザーのエネルギーがメラニンに吸収されることで生じる急激な膨張・収縮を利用してメラニンを粉砕する作用です。

この光音響効果により、周囲の組織への熱ダメージが大幅に軽減され、かさぶたができにくくなります。

 

皮膚深層への作用と表皮へのダメージ軽減(クリアリフト)

クリアリフトは、1440nmという波長のレーザーを使用します。この波長は皮膚の水分に吸収されにくく、深層にある真皮層まで到達します。

 

真皮層にレーザーを照射することで、コラーゲンやエラスチンの生成を促進し、肌のハリや弾力を向上させます。
同時に、深層からメラニンを徐々に排出していくため、表皮へのダメージが少なく、かさぶたができにくい治療法です。

 

マイルドな光治療(IPL|ライムライト、フォトフェイシャルM22)

IPL(Intense Pulsed Light)は、レーザーとは異なり、さまざまな波長を含む光を照射します。
フィルターを使用して特定の波長域を選択することで、メラニンやヘモグロビンなどの標的に選択的に作用させます。

 

ライムライトやフォトフェイシャルM22といったIPL機器は、レーザーよりもマイルドなエネルギーで照射するため、肌への負担が少なく、かさぶたができることはまれです。

 

また、複数の波長を組み合わせることで、シミやくすみの他に、赤ら顔、ニキビ跡、毛穴の開きなど、さまざまな肌トラブルに対応できます。

 

回数照射による効果の積み重ね

上記のような低出力のレーザーやIPLは、1回の照射で劇的な効果を出すというよりは、複数回の治療を繰り返すことで徐々に効果を上げていく治療法です。

 

少ない回数で効果を出そうとして高い出力で照射すると、かさぶたなどのダウンタイムが長引くリスクがあります。
そのため、かさぶたを避けるためには、医師の指示に従って適切な出力と回数で治療を受けることが重要です。

 

このように、かさぶたにならないレーザー治療は、さまざまなメカニズムで肌への負担を軽減しながらシミを改善します。
どの治療法が適しているかは、個々のシミの状態や肌質によって異なります。専門医とのカウンセリングを通して、最適な治療法を選択することが重要です。

 

シミ取りレーザー後かさぶたになるのは何日目から?

レーザー治療後にかさぶたができるかどうか、そしてできる場合の時期は、レーザーの種類、出力、照射方法、そして個人の肌質やシミの状態によって大きく異なります。

一概に何日目とはいえませんが、以下に一般的なケースと、種類別の傾向を詳しく説明します。

 

一般的なかさぶたの経過

かさぶたを形成するタイプのレーザー治療を受けた場合、以下の経過をたどるのが一般的です。

 

施術直後〜数日

レーザー照射部位が赤くなる、軽度の腫れ、ヒリヒリとした感覚が生じる場合があります。これはレーザーによる熱作用による正常な反応です。

 

2〜7日目

照射部位が徐々に濃くなり、かさぶたが形成されます。かさぶたの大きさは、レーザーのスポットサイズやシミの大きさによって異なります。色は、一般的に濃い茶色〜黒色です。

 

7〜14日目

かさぶたが乾燥し始め、自然に剥がれ落ち始めます。この時期にかさぶたを無理に剥がすと、色素沈着や傷跡、感染症のリスクが高まるため、避けたほうがよいでしょう。

剥がれ落ちる直前には、かさぶたの色が薄くなり、灰色〜薄い茶色になることが多いです。

 

2週間〜数ヶ月

新しい皮膚が再生され、シミが薄くなっていくのが確認できます。場合によっては、複数回の治療が必要になることもあります。

 

シミ取りレーザーの種類と出力によるかさぶたの形成と色

 ・高出力のQスイッチYAGレーザーなど

従来のシミ取りレーザーでは、高いエネルギーでメラニンを破壊するため、厚みのある濃い茶色〜黒色のかさぶたが形成されやすい傾向にあります。

 

 ・低出力のQスイッチYAGレーザー、ピコレーザーなど

低いエネルギーで複数回照射するレーザーや、ピコ秒レーザーは、周囲の組織への熱ダメージが少ないため、かさぶたができない場合もあります。もしできたとしても、薄いかさぶたであることが多く、色は薄い茶色で、比較的早く剥がれ落ちます。

 

 ・フラクショナルレーザー

微小な点状にレーザーを照射するため、全体としてのかさぶたではなく、小さな点状のかさぶたが多数形成されることがあります。色は、赤みのある薄い茶色であることが多いです。

 

 ・アブレイティブレーザー(炭酸ガスレーザー、エルビウムヤグレーザーなど) 

皮膚表面を蒸散させるタイプのレーザー治療で、シミ取り以外にも、ニキビ跡や傷跡の治療などに用いられます。このタイプのレーザーは、照射部位全体に広範囲のかさぶたが形成されることが一般的で、色は比較的濃い茶色〜黒色になります。

 

個人の肌質やシミの状態による影響

 ・肌質

乾燥肌の人は、かさぶたができやすく、剥がれ落ちるのに時間がかかる場合があります。一方、脂性肌の人は、かさぶたができにくく、早く剥がれ落ちる傾向があります。

 

 ・シミの状態

シミの大きさ、深さ、濃さによって、かさぶたの形成の程度、期間、色が異なります。深いシミほど、かさぶたの色は濃くなる傾向があります。

 

かさぶたの色に関する注意点

 ・かさぶたの色が異常に赤い、黄色、または緑がかった場合は、感染症の可能性があります。すぐに医師に相談しましょう。

 

 ・かさぶたが剥がれ落ちた後、色素沈着が起こる場合があります。これは一時的なもので、数ヶ月かけて徐々に薄くなっていきますが、紫外線対策をしっかり行うことが重要です。

 

かさぶたができた場合の注意点

かさぶたができた場合、以下の点に注意しましょう。

 

 ・紫外線対策

紫外線を浴びると色素沈着のリスクが高まるため、日焼け止めクリームをこまめに塗布し、日傘や帽子などを活用しましょう。

 

 ・保湿

かさぶたを無理に剥がさないように、保湿クリームで皮膚を柔らかく保ちましょう。

 

 ・刺激を与えない

患部をこすったり、刺激を与えないように注意しましょう。

 

 ・医師の指示に従う

レーザー治療後のケアについては、医師の指示に従いましょう。

 

かさぶたができるかどうか、そしてできる場合の時期や色は個人差が大きいため、不安な場合は、医師に相談することをおすすめします。

 

シミ取りレーザー後かさぶたにならなくても大丈夫?|まとめ

 

シミ取りレーザー後、かさぶたができなくても効果がないわけではありません。

むしろ、かさぶたができないレーザー治療はダウンタイムが短く、日常生活への支障が少ないというメリットがあります。

レーザー治療の種類もさまざまですので、医師と相談し、自分の肌質やシミの状態に合った治療法を選択することが大切です。